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高齢者疑似体験プログラムでわかった!介護施設で黒い食器が多い理由とは?~50代からの介護研修体験記⑦

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文京区実施の無料講座「介護に関する入門的研修」体験記をお届けしています。介護職への興味から受講を決めた50代後半女性ライター(80代両親あり)ですが、介護サービスを利用する側の心得としての学びや、障害者への配慮など「聞けてよかった」話が満載でコーフン気味です。

全部で5日間の研修、2日目午後は高齢者疑似体験プログラム「うらしま太郎」を体験しました。

玉手箱ならぬカバンを開けたら高齢者!?

「うらしま太郎」と命名された高齢者疑似体験プログラム(シニアシミュレーター)では、さまざまな装備を身に付けることで75~80歳くらいの高齢になった身体機能を経験できます。(玉手箱ではなく、カバンに変身用の用具が納められています)

まず全員に、即席老化セットともいえる3点が配られました。

・白内障による色覚変化や、加齢による視野の狭さや薄暗さを体感できる眼鏡
・指の動きにくさや指先の感覚の鈍さを感じるための手袋
・聞こえにくさを体感する耳栓

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ミトンのように親指とそれ以外にわかれたサポーターと綿の手袋をつけると、途端に手や指が動かしづらくなりました。財布からコインや札を取り出そうとするとうまくいかない…スーパーのレジの前で高齢の方がお財布を扱っている姿そのものです。(心の中で早くして、とか思ってました。ごめんなさい)

おまけに白内障眼鏡をかけていると、コインの色がよくわからない!耳も聞こえづらかったりすると、「レジ袋のサイズはどうしますか?」なんていうコミュニケーションもストレスになりそうです。高齢になると、レジでお金を払うのも一苦労なのだな、と想像できました。

高齢者施設で黒い食器を使う理由

一番驚いたのは、白内障になった際の色のコントラストによる見づらさです。ボードに貼られた鳥のイラストを見ながら「何羽見えるかクイズ」に挑戦したのですが、全く見えなくなる色の組み合わせがありました。

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白内障になると、黄色や同系色が見えづらくなり、文字を読むのが大変になるそうです。遠くの物や細かい模様も見えづらくなります。健康な状態では気づかないバリアがたくさんあるんですね。見えない、気づかない、わからない状態は、とてもストレスを感じます。

「白いご飯は黒い食器だとよく見えるから高齢者施設でよく使われます」には感心しました。

最近は「見ればわかるでしょ」的なガイドをよく見かけますが優しくない!年を取った自分のためにも、より視認しやすくわかりやすい情報提供の広がりを期待したいです。

何から何まで大変!フル装備の高齢者体験

続いて4つのグループに分かれ、交代でフルセットの疑似体験をしました。装着したのは、重りが入ったベスト、足首と手首の重り、半身まひを体験できる装具として足首と膝と肘の固定、耳栓、視力を低下させる眼鏡です。

健常な設定の左手に杖を持って歩き始めた体験者の姿が、まさに街中で見かける杖をついた高齢者の姿でこれまたビックリ。高齢者の身体的制約が忠実に再現されているようです。

自分も装着してもらい、動き回ってみました。体が重い…辛かったのはトイレです。座ったり立ったりがしづらいのと、指先の感覚が鈍くてトイレットペーパーの境目がなかなかわかりません。うまくできないことがあると、何もかも嫌になってやる気がとても削がれると思いました。

「何もすることないのに忙しい」という高齢者にとって時間が足りない理由は、服を着替えるといった日常動作のひとつひとつに時間がかかるからだそうです。身体的にどうしてもできない、うまくいかないことなどは、介護職のサポートが重要なのだと感じました。

また、特に大変だと感じたのが下りの階段です。母が手すりを探し、ゆっくりと降りる理由がよくわかりました。(上りエスカレーターより、下りが増えたらいいのに)実際に高齢者が日常生活で直面するいろいろな大変さを実感したことで、重点的なサポートが必要な場面が想像できるようになったと思います。

ADLの維持向上を支える介護サービス

高齢者疑似体験プログラムは、毎日の暮らしの大変さを実感させられるものでした。今回、体の急激な変化を体験したわけですが、ストレス耐性の低い私は「何もかもめんどくさい」とネガティブな気持ちになってしまいました。

加齢が原因で思うように体が動かなくなったり、目や耳も弱るのは避けがたいことです。デイサービスの機能訓練などでADL(日常生活動作)の維持や向上をめざす重要性を強く感じました。

高齢になっても自宅で自立して暮らしていくためには、「めんどうになってやらない→どんどんできなくなる」の負の連鎖を防ぐ必要があると思います。

80代の両親は、幸いまだ介護サービスの必用はありませんが、どこか遠慮や抵抗を感じているようです。やる気や活気を失うADL低下の手前で、定期的な機能訓練をすすめたいな、と思いました。

次回からは、研修3日目「認知症の理解」をレポートします!

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