「だんらんの家」は一日の最大利用定員が10名までの小規模デイサービスです。
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介護業務が好きな介護スタッフアンケートから見える「ケアマネジメントサイクル」の重要性~前編
介護業務は好きだけれど、利用者様にとって良いと思う介護がやりきれていない、そんな悩みを抱える介護職の方も多いのではないでしょうか。
介護の実務を担当する介護スタッフにとって、よりよい介護サービスを提供するのに欠かせないのがケアマネジメントサイクルです。
介護業務の実務に関するアンケート調査から、介護スタッフにとってのケアマネジメントサイクルの重要性がみえてきました。ケアマネジメントサイクルの基本的な概念から介護現場での運用例などを含め、前後編で解説します。
参考)株式会社ヘルステクノロジー 介護業務の実務に関する実態調査
ケアマネジメントサイクルって何?
介護におけるケアマネジメントサイクルではPLAN(計画)、DO(実施)、CHECK(評価)、ACT(見直し)というプロセスを通じて、介護サービスが必要な人に対して、最適な介護サービスを組み合わせて提供します。
・PLAN(計画)
ケアマネージャーは利用者様やご家族と面談し、利用者様が抱えている課題やニーズをヒアリングし、個別のケアプランを作成します。また、介護サービス事業所の管理者や生活相談員も利用者様の状況を確認したうえで、ケアプランをもとに通所介護計画を作成します。
・DO(実施)
ケアプランと通所介護計画にもとづいて、ケアマネージャーと介護サービス事業所が連携し、具体的な介護サービスを実施します。
・CHECK(評価)
定期的にモニタリングを行い、利用者様の体調の変化や困っている点がないかを確認し、提供されている介護サービスが利用者様の現状に適しているか総合的に評価します。
・ACT(見直し)
評価の結果にもとづき、必要であればケアプランや通所介護計画を見直し、利用者様の状況やニーズに合った介護サービスに調整します。
ケアマネジメントサイクルが重要な理由
ケアマネジメントサイクルが重要視される理由は、そのプロセスを通じて利用者ひとりひとりに最適なケアを提供できるからです。
利用者の体調や生活環境は時間とともに変化していきます。介護サービスによって体の状態が改善し、該当のサービスが必要でなくなったり、必要と思われたサービスでも、やってみると本人に合わなかったりする場合もあります。
ケアマネジメントサイクルでは利用者の状態を継続的にモニタリングすることで、利用者の健康状態や生活状況、介護ニーズに関する最新の情報が常に把握でき、必要に応じてケアプランの見直しができます。
介護スタッフの業務効率化につながるケアマネジメント
また、ケアマネジメントサイクルを実施することにより、介護スタッフは計画的に業務を遂行することができ、結果として効率のよい働き方が実現します。
株式会社ヘルステクノロジーが実施した、介護スタッフを対象とした調査(介護業務の実務に関する実態調査)では、「介護現場でケアマネジメントサイクルを回しながら効果的に働くことは重要だと思いますか」という質問に対し、「非常にそう思う」が35.7%、「ややそう思う」が51.3%と、多くの介護スタッフがケアマネジメントサイクルの重要性を認識していることがわかりました。
ケアマネジメントサイクルを回せないのはなぜ?
ケアマネジメントサイクルが重要であると認識されている一方で、現場で上手く機能していないケースも多く見受けられます。調査でも「あなたの介護現場ではケアマネジメントサイクルを回しながら効果的に働けていると思いますか」という質問に対し「あまりそう思わない」が39.1%、「全くそう思わない」が11.4%という結果が示されています。
理由として多かったのは「業務を振り返るための時間がないから」が58.9%、「ケアマネジメントサイクルの重要性をマネジメント層が理解していないから」が39.1%、「改善のために業務の取り組み方を変更するハードルが高いから」が39.1%でした。
ケアマネジメントサイクルを効果的に活用するには十分な知識や人員、時間の余裕、そしてサイクルを回すための体制やマニュアルが必要です。これらのリソースが不足しているため、ケアマネジメントサイクルの実行や徹底が難しくなっているといえます。
調査を振り返って
アンケート調査の結果では、調査対象の介護スタッフの87%がケアマネジメントサイクルの重要性を認識しているものの、実際にはあまり活用できていないことがみえてきました。
人手不足が深刻で、各スタッフが担当する業務範囲も広く、ケアマネジメントサイクルを回すための時間が確保できない介護現場が多いようです。また、ケアマネジメントサイクルでの情報の共有や管理にはITツールの活用も欠かせません。
後編では、ケアマネジメントサイクルの実施で解決できることや、デイサービス「だんらんの家」での実際の運用ケースをご紹介します。