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現役音楽療法士に聞いてみた!デイサービスにおける音楽療法の取り組み-前編

音楽療法は認知症の高齢者にも効果的といわれ、近年、介護施設や医療現場で導入されつつあります。小規模デイサービス「だんらんの家」では、専属の音楽療法士2名により10年以上にわたって音楽療法をイベント活動の一環として実施しています。

音楽療法士として長年活動し、「だんらんの家」のスーパーバイザー職につく中道さんに、デイサービスでの音楽療法についてインタビューしました。

前編では音楽療法の概要、後編では実際にどのようにデイサービスで実施しているか、といった具体的な取り組みについてご紹介します。

音楽療法では参加者の反応を観察することが大切

「音楽療法、音楽レクリエーション、音楽教育など、音楽という共通点をもったアプローチはいくつかありますが、それぞれの目的や役割の違いを知ることが大切です」(中道さん)

音楽レクリエーションでは歌唱や楽器演奏を通じて楽しいひと時を過ごす、娯楽性が重要視されます。対照的に、音楽療法では参加者が音楽空間でどのように反応するかを観察することが中心となります。

音楽療法のプログラムにはそれぞれ目的があります。たとえば「歌謡曲の歌唱」であれば参加者自身の人生を振り返り、回想を促進する狙いがあります。

音楽療法の実施中、参加者に混乱や不安、拒否、離席などの反応が見られることがありますが、これらはすべて変化を観察するうえでの重要なサイン。歌を歌わない(歌えない)から×、楽器で音を出さないから×ではなく、参加者がどのような反応をしているかを観察することが音楽療法の視点といえます。

参加者の体の動きに合わせて音を奏でる

小規模デイサービス「だんらんの家」での音楽療法のセッション時間は約1時間。即興演奏によるリズム体操(ストレッチ)、楽器活動、歌唱活動が中心です。

中道さんが音楽療法の特徴のひとつとして挙げたのが「即興性」です。

「音楽療法では音楽に合わせて体を動かすというよりは、参加者の呼吸や状態、動きに合わせて、音楽療法士がその場で音楽をつくります。たとえば、テンポを少し上げたり、音を大きくすると、人間は自然に体の動きが大きくなります。訓練感なく、楽しく体を動かすことができるので、機能訓練に抵抗がある利用者様の参加率も高いんですよ」(中道さん)

少人数での音楽療法だからこそ参加者の変化を感じとれる

音楽療法の時間は音楽療法士のもと行われ、職員たちもサポートで参加します。「だんらんの家」は一日の最大利用定員が10名の小規模デイサービスのため、音楽療法も少人数で行うことができ、利用者様の変化を細かく観察できます。

職員はふだん見ることができなかった利用者様の表情や積極性、好みなど意外な一面を発見でき、音楽療法による変化を間近で実感しやすい環境ともいえます。

「音楽療法はデイサービスに通う動機付けになったり、楽しみ、意欲、他者交流、自己肯定、グループダイナミクス、認知症予防、ADL(日常生活動作)の維持向上などさまざまなアプローチができ、利用者様の自立をサポートする取り組みとして有効です。今後も利用者様の状態やニーズに合わせた音楽療法が実施ができる環境を整えていきたいと思っています」(中道さん)

デイサービス「だんらんの家」では職員たちが音楽療法について正しく学べるようハンドブックも作成しています。後編ではハンドブックの内容についても取り上げます。

全国に展開している「だんらんの家」(東京、千葉、埼玉、神奈川、山梨、栃木、福島、新潟、静岡、愛知、岐阜、石川、大阪、滋賀、兵庫、奈良、三重、岡山、長崎、福岡、大分/24年2月時点)は民家を改装した施設で、利用者様ひとりひとりに合わせた介護サービスを提供しています。音楽療法に興味がある方や小規模デイサービスに興味がある方はぜひ一緒に働いてみませんか?介護未経験の方やブランクがある方も大歓迎です。

「だんらんの家」では介護職員、生活相談員、機能訓練指導員、施設管理者、送迎ドライバーなどの正社員およびパートの職員を積極的に募集しています。詳細については、「だんらんの家」の公式ホームページをご覧ください。

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