「だんらんの家」は一日の最大利用定員が10名までの小規模デイサービスです。
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介護職員、 生活相談員、 機能訓練指導員、 施設管理者、 送迎ドライバーなどの正社員およびパートの職員を募集しています。ぜひ、求人情報をご覧ください。
介護現場に欠かせないボディメカニクスって何?~50代からの介護研修体験記③
自分は50代後半、80歳超えの両親がちょっと心配なライターMです。無料の「介護に関する入門的研修」受講体験レポートをお届けしています!
1日目から、元気で温かい現役介護士さんの講義がとても面白く、いろいろ考えさせられました。今回は、介護の基本として教えていただいたボディメカニクスについて詳しくご紹介します。「なるほどー」の連続でしたよ!
ボディメカニクスとは?
ボディメカニクスは、身体の動きや姿勢、力の使い方に関する学問や技術を指します。特に医療や介護の分野では、介護が必要な方を安全に移動させるためのテクニックとしても重要です。
介護をする側だけでなく、受ける側の身体的な負担も減らせるボディメカニクスの技術。キーワードは「支持基底面・重心・てこの原理・からだの動き」だそうです。
支持基底面は、安定して立っているための接地面…足や杖などのことです。隣の人と、それぞれ足を大きく開いた状態、閉じた状態で立って押し合ってみて支持基底面を広くした場合の安定感が重要だ、という意味がとてもよくわかりました。
「杖」が転倒防止に大切なのも納得!足腰の弱った人にとっては第三の足なんですね。介護が必用な高齢者は、少し体が傾いてしまっただけで転んでしまうことがよくあるそうです。
先生のドン!と転ぶデモンストレーションにドキッとしました。日常生活では人が転ぶところなんてめったに目にしませんが、介護の現場では珍しくないんですね。
ボディメカニクスの基本
ボディメカニクスの具体的な説明を聞いて、まさに「介護技術だ!」と感心しました。以前には「ヨッコラショ」と持ち上げる介護もあったようですが、今は介護職員の体を守るテクニックがいろいろあるそうです。
①自分の支持基底面を広くして姿勢を安定させる
足を前後左右に大きく広げてふんばって立つことが大事です。ふらついている人を助けるには、まず足を広げて立つ!ですね。
②自分の重心の位置を低くして姿勢を安定させる
足を広げてしゃがむのも大事。介護者の姿勢を安定させるのが一番重要とのことでした。
③相手の重心を自分の重心に近づける
近さに加えて、高さも合わせるのがワザ!だそうです。対角線に手を広げる・骨格の太いところを探すなど相手を支え、保持する場所の選び方にも意味があるんですね。
④「大きな」筋肉を使う
背筋や腹筋、太ももなどの大きな筋群を使うと介護者の負担が少なく介助ができるそうです。小さい筋肉は痛めやすいそうで…「お尻の筋肉、使えますか?」にみんなモジモジしました。
⑤相手の重心を水平に動かす
最近のトレンド!いかに「滑らかに動かすか」が研究されているそうで、下にひくシートなど道具がいろいろあるそうです。
⑥自分の体をひねらない
呼ばれたら「え?」と体をひねってしまいそうですが、体ごとむきなおって「はい!」だそうです(笑)これは意識していないとなかなかできない…まして、相手を支えたり動きをサポートする介護の場面では重要です。
⑦相手の体を小さくまとめて摩擦を減らす
これも技術ですね。腕を組む、膝を立てるなどしてもらって「クルッと」方向転換します。接地面を小さくすると小さい力でスムーズに、素早く楽に動かせるのだとわかりました。
⑧てこの原理を使う
肘、膝、股関節をうまく使うと小さな力で移動ができるようになるそうです。
おまけ:空間を広く使う
不要なものを片付けて、スペースを広く使うことが事故予防につながるそうです。確かにイメージ通りに動きたいの「モノが邪魔」だと危ないですよね。「介護と片付け」の関係は考えたことがありませんでした。
介護は技術だ!
ボディメカニクス、目からうろこでした。すごいです。てこの原理や摩擦減少…あらためて、介護技術には「物理法則」がたくさん使われていることに気づきました。誰でも避けて通れない老化や体力の衰えを、介護テクニックが助けてくれます。
資格がなくても介護職員として働くことはできますが、研修をうけて資格をとれば自信が持てるだろうな、と感じました。(初任者研修に興味がわいてきました!)
研修1日目のプログラム、まだまだ続きます。「人を元気にするのが好きで得意」と豪語(笑)する先生の得意分野!次回は介護予防や認知症予防のお話です。