「だんらんの家」は一日の最大利用定員が10名までの小規模デイサービスです。
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「介護現場の生産性向上」って何?目指すのは介護職員の負担軽減と介護サービスの質向上(前編)
高齢化が進む日本では、介護の需要は増加の一途をたどっています。一方で、介護職員の不足は深刻な問題となっています。この課題に対応するため、厚生労働省では介護現場の生産性向上を推進しています。
生産性向上の取組みでは、介護職員の負担軽減と介護サービスの質の向上を目指し、介護現場に変革をもたらすことが期待されています。この記事では生産性向上の現在の取組みについて解説し、今後予想される介護職の働き方の変化を前後編で探ります。
介護サービスでの“生産性の向上”って、どういうこと?
介護現場における生産性の向上とは、介護ロボットやテクノロジーの活用によって業務の効率化を図り、職員の時間的・身体的な負担を軽減することを指します。職員は生み出された時間を直接的な介護ケアにあて、利用者との接触時間を増やすことが可能になります。
また、ICTの導入による業務効率化で残業時間の削減や有給休暇の取得がしやすくなるほか、研修やOJTなどの人材育成にも活用できるため職員のスキルアップにもつながります。
介護の生産性向上のヒント満載の厚労省ガイドライン
厚生労働省では介護事業所が生産性向上に取り組むためのガイドラインも作成しています。ガイドライン「より良い職場・サービスのために今日からできること」では、介護の職場環境をより働きやすくするための具体的な方策が示されていますのでご紹介します。
・職場環境の整備
社内の整理・整頓が不十分なために、必要な書類やデータ探しに時間がかかることはありませんか?探し物に無駄な時間を使わないためには、5S活動(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)を実施し、物の所在をすぐに把握できる環境を整えることが重要です。
・業務の明確化と役割分担
役割分担やシフトが適切でないと、職員の負担が増えたり介護ケアの質の低下を招きます。役割分担の見直しや再編を行うことで、職員がそれぞれの業務に集中できるようになります。
・テクノロジーの活用
介護ロボットや見守りセンサーなどの導入により、職員の身体的・心理的負担を軽減します。要介護者から離れた場所でも体調の変化や様子をチェックできるなど、適切なタイミングでの介助につながります。
・手順書の作成
職員同士での申し送り事項が統一されていないと、引き継ぎに必要以上に時間がかかったり、抜け漏れが発生する可能性があります。申し送り事項を標準化し、手順書を作成することで引き継ぎ時間を短縮し伝達漏れのミスを防ぐことができます。
・記録・報告様式の工夫
「いくつもの書類に何度も転記する必要があり、時間がかかりすぎる…」というのは介護現場でよく聞くエピソードです。介護記録を電子化し、情報を一元管理することで、記録作成の負担を軽減できます。
・情報共有の工夫
管理者から現場職員への指示が個別に行われると、タイムリーな情報共有が困難です。インカムなどを活用することで職員同士がリアルタイムで情報を共有し、迅速に対応できるようになります。
・OJTのしくみづくり
教育担当の職員の指導方法にばらつきがあると、施設全体で業務手順やケアの質が一定に保てません。統一された教育内容で指導できるリーダーを育成することでOJTの質を向上させます。
・理念・行動指針の徹底
手順書にないイレギュラーな事態に対応する際、優先順位が不明確だと混乱が生じます。理念や行動指針を全職員に徹底することでイレギュラーな事態にも適切に対応できます。
今後、生産性向上の取組みや介護現場でのテクノロジーの活用がさらに進み、情報共有を起点としたチームワークでの介護ケアがスタンダードになることで、介護職の働き方も大きく変わるでしょう。高齢化社会に対応するためにも、介護現場がより働きやすい環境になることは必須の課題です。
続く後編では、取り組みの現状や具体的な事例などをご紹介します。