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介護の仕事を辞めた理由って何?介護業界の転職事情研究~前編
介護業界は人手不足による人材需要が高まる一方ですが、離職率の高さが長く課題となってきました。今回は2024年7月に公益財団法人介護労働安定センターが発表した「R5年度介護労働者の就業実態と就業意識調査 結果報告書」をもとに介護職を辞めた理由や、その後の転職活動について探っていきます。
介護職を辞めた最多回答は“人間関係”
調査によると、直前の仕事が介護関連だった労働者のなかで、もっとも多く挙げられた辞職理由は「職場の人間関係に問題があったため」で全体の34.3%を占めました。
具体的な内容では「上司の思いやりのない言動、きつい指導、パワハラなどがあった」がもっとも多く、2位も上司のリーダーシップへの不満などが続き、3位は「同僚の言動でストレスがあった」、4位は「ケアの方法など仕事上の課題に関する上司や同僚との意思疎通・意見交換がうまくいかなかった」が続きます。
介護の現場ではチームワークが不可欠ですが、コミュニケーションの欠如や強い指導などがストレスを生み、人間関係が理由で職場を離れるケースが多いようです。
次に多い理由は「事業所の運営方針」への不満
2番目に多かった辞職理由は「法人や施設・事業所の理念や運営のあり方に不満があったため」で26.3%を占めています。施設の運営方針や理念が働く人の価値観と合わない場合、労働環境や業務内容に対する不満が強まり、辞職を選択する傾向が見られます。
具体的には「経営の効率性やリスクを過度に重視しているため、介護の質の向上の取り組みが二の次になっていた」がもっとも多く、「介護の質の向上の手法・方向性が自分の理想とは異なっていた」や「無駄な業務が多く、職員の業務量負担への配慮が弱かった」も同水準の回答でした。
介護職員が抱く使命感やサービス精神が、運営方針とのギャップによって損なわれることでモチベーションの低下が生じていることがうかがえます。
待遇や働きやすさを求めて転職するケースも多い
「他によい仕事・職場があったため」という理由も19.9%を占めており、待遇や働きやすさを求めて他業種へ転職する人が一定数いることも見て取れます。
また、性別による傾向をみると、辞職理由の上位3位までは男女共通ですが、男性は4位に「自分の将来に見込みが立たなかったため」が23.0%と女性を12.4ポイント上回っています。男性はキャリアアップや将来的な展望に不安を抱く傾向が強く、辞職理由に結びつくことが多いと考えられます。
一方、女性は「結婚・妊娠・出産・育児のため」という理由が9.6%で、男性を6.6ポイント上回り、ライフイベントが退職理由となることがあるようです。
辞めた理由から、次の職場探しの基準が明確になる
介護業界で転職を考える際、まずは前職で何が自分にとって問題だったのかを整理することが大切です。仕事選びにおける優先順位をはっきりさせ、自分のニーズに合わせて職場を選定することが転職活動の成功のカギです。
職場の人間関係、待遇、将来性など具体的な要因を整理し優先順位をつけておくことで、次の職場選びに役立てることができます。たとえば人間関係に不安があるなら、事前に職場見学をして、現場の雰囲気や職員の働き方を確認するのもひとつの方法です。
キャリアアップを目指す場合、研修制度が充実している施設を選ぶこともできます。業務のデータ化を進めている事業所であれば、業務改善の意識が高く、家庭や育児との両立もしやすい可能性が高くなります。こうした準備をしっかり行えば、同じ理由での退職を繰り返すことなく、介護職での転職を前向きなステップに変えることができます。
介護職に求められるスキルや働き方は多様化しています。自分にとっての優先事項を考えながら転職活動を進めることが、長期的なキャリア形成につなげるポイントです。
続く後編では、介護業界で働く人が今の職場を選んだ理由を深堀りします。どのような点が介護の職場選びのポイントになるのでしょう?