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今の介護の仕事を選んだ理由って何?介護業界の転職事情研究~後編
介護業界で働く人々が、なぜ今の職場を選んだのかを理解することは、業界全体の現状を知るうえで大切です。前回に引き続き、2024年7月に発表された公益財団法人介護労働安定センターの「介護労働者の就業実態と就業意識調査 結果報告書」をもとに、介護労働者が現在の事業所を選んだ理由や傾向を探り、転職や就職を考える際のポイントについて考察します。
「通勤の利便性」がトップ
まず、現在の事業所を選んだ理由としてもっとも多かった回答が「通勤が便利だから(50.3%)」です。特に女性では53.9%と高く、男性でも38.7%が同様の理由を挙げています。
通勤時間や交通の利便性は、ワークライフバランスに大きく影響します。特に家事や育児との両立を図る女性にとって、職場までの移動時間が少ない点が重視されています。
次に多かった理由は「仕事の魅力ややりがいがあるため」で32.6%、「職場の人間関係がよいため」が31.4%と続きます。介護の現場では人との関わりが密接なため、職場内の人間関係が円滑であることは、長く働き続けるための大きな要素となっています。また、やりがいを感じられる仕事というのは、長期的なキャリア形成においても重要なポイントです。
女性はワークライフバランスへの支援を重視
女性の第5位は「仕事と家庭(育児・介護)の両立の支援を充実させているため」が19.1%を占めています。女性は家事や育児、または介護といった家庭内での役割を担うことが多く、その両立を支援する制度が職場選びの重要なポイントとなっています。事業所も人材確保のために、短時間勤務や育休・産休制度を充実させるケースが増えています。
若年層は「理念への共感」や「キャリアアップ」を重視
20~25歳未満の層では「法人の方針や理念に共感したため」が23.6%を占めており、他の年齢層よりも高い割合です。また「職場内でのキャリアアップの道筋を明確化しているため」という理由も高いポイントを示しています。若年層は仕事のやりがいだけでなく、組織の理念やキャリア形成に対する期待が強いことがうかがえます。
研修機会の充実が新たな選択理由に
注目すべきは「社内外で研修を受講できる機会が充実しているから」という理由が、2019年から2022年までの間は2%台に留まっていたのに対し、2023年には9.4%に急上昇している点です。
この傾向は職員のスキル向上や対応力強化が重要視されるようになったことが背景にあり、研修機会の充実が新たな職場選びのポイントとして浮上したと考えられます。
また「経営が健全で将来的に安定しているため」も2022年は6.4%だったものが、2023年は11.8%とほぼ倍増しています。安定した経営基盤を持つ事業所を選ぶことで、将来的な雇用の確保や働く環境の維持が期待できるという安心感が求められているのでしょう。
譲れない条件を明確化しよう
現役の介護労働者が今の職場を選んだ理由を見ると通勤の利便性がもっとも大きな要因であることがわかります。しかし、それ以外にも介護職の魅力や職場の人間関係、残業の少なさなど、個々のニーズやライフステージに応じた選択が行われています。
介護に携わる人がどのようなポイントで職場を選んでいるのかを知ることで、自分自身の職場選びの視点も広がるのではないでしょうか。たとえば、これまであまり重視していなかった法人の方針や理念といった要素が、新たな注目点として浮かび上がるかもしれません。また、給与や勤務条件、キャリアアップの機会といった面で再考するきっかけにもなります。
介護業界は慢性的な人手不足が続いているため、求職者にとっては選択肢が多い環境です。転職や就職を考える際は、何が自分にとって重要かを明確にすることが、適切な職場選びにつながるでしょう。