デイサービス「だんらんの家」転職・求人情報サイト

ブログ

自分や家族の介護が不安な人は介護職を経験すべし!頼りになる介護職の専門性~50代からの介護研修体験記⑤

介護資格なし、未経験の50第後半女性ライターの「介護に関する入門的研修」体験記をお届けしています!介護職として働くってどういうこと?という素朴な興味から受講を決めたのですが、日本の介護をとりまく現状から自分の老後まで「人ごとじゃない」感が半端ないです。

語りたい、伝えたいことだらけで長々書いてますが、「介護に関する入門的研修」受講体験1日目のレポート最終回は「介護職の役割と介護の専門性」についてです。

介護における「尊厳」を保つ難しさ

介護保険法の第1条(目的)に、介護を必要とする人が「尊厳を保持」し、「自立した日常生活を営む」ことができるよう定められた法律であることが記載されています。

「尊厳は難しいんですよ。介護者が『してあげてる』という気持ちになると簡単に損なわれます」…確かに、介護サービスは困った状態にある方をヘルプする立場になるのが基本です。

介護サービスを利用するとき、利用者はたいがい不安や躊躇があるそうです。確かに、どんなヘルパーさんが家に入ってくるのかわからない、デイサービスであればどんなところで、どんな人がいるかわからない…心配ですよね。

尊厳の保持は当たり前のことなのに侵害されやすいのは、介護サービスを受ける方々が弱者であり、介護者が強い立場にいることを忘れがちだから。介護者の「良かれと思って」や思い込みが、介護サービスの利用者を苦しめることもあるのだ、と理解できました。

高齢者介護のリアルを感じた虐待防止の話

人権と尊厳を守り、QOL(生活の質)の向上と自立支援をめざす介護。「介護職の役割や専門性」というテーマの講義において「虐待防止」に多くの時間が割かれました。介護職は家庭や家族の関係性にも入ることがあり、虐待の発見者になりやすいそうです。

最終日に実際に車いすを使う講義があったのですが、「安全ベルトはありません。身体拘束で虐待とみなされるからです」と聞き衝撃を受けました。ベビーカーではあたりまえの安全ベルト…たとえ認知症の高齢者であっても、意志を持った大人に対しては、安全確保よりも尊厳に注目して対応する介護の基本を感じました。

認知症の妻が使用後のトイレットペーパーを家の外に捨ててしまうから「殴ったよ」という夫。そんなご夫婦に対し、認知症専門のデイサービスが介入して妻の行動を変えることができ、穏やかに暮らせるようになったお話を聞きました。

個人にとっては家族が認知症になるのは初めての体験です。「どうしたらいいかわからない」状況になっても、経験豊富な介護職員に相談したり助けてもらえたりできるのだ、とわかって希望が持てました。同時に、自分や家族が当事者になる前に介護職として経験を積んでいたらもっと安心できると思います。

介護職は、50代、60代のミドルシニア世代でも始められる仕事として魅力がある、と思ってきましたが自分や家族の介護リスクヘッジにもなる!と強く感じました。介護の専門性や知識を身に付け、人脈を作ることができるので適切にサービスを選択・利用できると思います。

介護職なら気づける?虐待のSOSサイン

介護が必要な人に虐待が起こる原因は、介護疲れや経済的困窮、人間関係の問題などさまざまです。大切な親やパートナーでも、支える側が疲れ切ったり孤独だったりすると余裕がなくなるのだと思います。

主な高齢者虐待の種類は5つ。最も多いのが身体的虐待、そしてネグレクトと呼ばれる介護や世話の放棄、気持ちを傷つける心理的虐待、排泄の失敗への罰などとしても現れる性的虐待、近年増加している経済的虐待などです。

重たい話…と感じながら聞いていたのですが、エスカレートする前に介入するためのSOSサインがあるそうです。

<家族や養護者の場合>
・高齢者を訪ねても会わせてもらえない
・高齢者の話題を避ける
・高齢者の悪口を言う
・介護疲れが伺えたり愚痴をこぼす
・介護について相談する人がいないよう

<高齢者の場合>
・あざや傷があり、尋ねてもあいまいな返事をする
・身だしなみが乱れている(衣服の汚れ、紙の乱れ)
・話をしても視線を合わせない
・長時間一人で徘徊している
・養護者の悪口を言う

デイサービスの送迎や、訪問ヘルパーなどの介護者として高齢者や家族と接する際、虐待のサインに目配りをして通報を始めとした必要な対応をしてくれているそうです。なんとありがたい。

自分ができることから介護に関わりたい

私は自分自身や両親が認知症などで介護が必要な状態になるのがとてもコワイです。でも、そうならない!は自分では選べないので、要介護状態になってもなんとかなる世の中であって欲しいと思っています。

初日のお話を聞いて「介護に関する制度は整いつつあり、志ある方々が頑張っている。でも人手が圧倒的に足りない」という現状がよくわかりました。

現役介護士の講師はとても温かく明るい方で「介護は楽しい!はまってます」とおっしゃっていました。この人と一緒なら介護の仕事をしてみたい、役に立ちたいと感じる魅力的な人がいる業界でもあります。

甘くない仕事だと思いますが、介護職は「少しだけ」から関わることもできます。東京都では介護の職場体験ができる「かいチャレ」というインターンシップ制度を実施しているので、トライしてみたいと感じました。
https://tokyo-kaigochallenge.jp/

次回からは「介護に関する入門的研修」2日目!テーマは障害の理解・基本的な介護の方法・介護における安全確保です。

Visited 16 times, 1 visit(s) today
サムネイル


「だんらんの家」は一日の最大利用定員が10名までの小規模デイサービスです。

民家を改装したアットホームな施設を全国各地(東京、千葉、埼玉、神奈川、山梨、栃木、福島、新潟、静岡、愛知、岐阜、石川、大阪、滋賀、兵庫、奈良、三重、岡山、長崎、福岡、大分/24年4月時点)に展開しています。

介護職員、 生活相談員、 機能訓練指導員、 施設管理者、 送迎ドライバーなどの正社員およびパートの職員を募集しています。ぜひ、求人情報をご覧ください。

関連記事

アーカイブ